阪神文化財建造物研究会の発足
阪神淡路大震災では、多くの歴史的建造物が被災しました。しかし、文化財に指定されていなかった建造物は修復されず、解体せざるを得ない例が多かったので、国はこれまで文化財として扱われていなかった近代建築や民家など多くの歴史的建造物を文化財として保護する「登録有形文化財制度」を創設しました。しかし、地域の歴史的建造物を発掘し、保存・活用してゆく、同制度を実質的に担う人材の育成が課題として浮上してきました。
そこで、兵庫県教育員会は(一社)兵庫県建築士会と連携し、全国に先駆け「兵庫県ヘリテージマネージャー養成講習会」を2002年1月に開講しました。同講座では建築士を対象に歴史的建造物の修理技術や活用手法、歴史的文化遺産を生かしたまちづくり等に関する座学と実習を行い、全講義を受講した修了者を「ヘリテージマネージャー」として県教育委員会に登録する制度が発足しました。
このヘリテージマネージャーを中心に、歴史的建造物を「まもり、そだて、つたえる」想いを同じくする有志達が集い、活動を始めたのが「阪神文化財建造物研究会(阪文建)」です。
阪神文化財建造物研究会の歩み
2002年1月~2010年
・兵庫ヘリテージ機構(H2O)阪神で、阪神間の近代化遺産調査・建造物国登録文化財への手続きを7物件実施
・兵庫ヘリテージ機構のアドバンスコースの研修会の立ち上げ(4回)
・平成20年度「NPOによる文化財建造物活用モデル事業」受託(耐震診断の活用)
・兵庫県文化財パトロール(継続実施中)
2010年~現在 「ひょうごの近代住宅100選」定期点検活動協力
2011年3月 猪名川町「静思館現状調査及び改修計画策定業務」受託
2011年~現在 兵庫県「近代和風建築総合調査」調査協力
2012年~現在 西宮まちたび博への協力
2012年11月 宝塚市「安田邸活用支援の検討シンポジウム」
2013年3月 西宮市近代住宅展への協力(西宮市郷土資料館)
2014年2月 塩野邸(神戸市東灘区)活用提案と内覧会参加
2014年3月 鷲尾家住宅(神戸市北区)の調査と活用提案
2014年3月 森田家住宅(猪名川町)文化財登録検討
2014年4月 西宮市教育委員会「生瀬地区文化遺産総合調査」
2014年9月 NPO法人阪神文化財建造物研究会 設立総会