■-阪神文化財建造物研究会の発足

阪神淡路大震災では、多くの歴史的建造物が被災しました。しかし、文化財に指定されていなかった建造物は修復されず、解体せざるを得ない例が多かったので、国はこれまで文化財として扱われていなかった近代建築や民家など多くの歴史的建造物を文化財として保護する「登録有形文化財制度」を創設しました。しかし、地域の歴史的建造物を発掘し、保存・活用してゆく、同制度を実質的に担う人材の育成が課題として浮上してきました。
 そこで、兵庫県教育員会は(一社)兵庫県建築士会と連携し、全国に先駆け「兵庫県ヘリテージマネージャー養成講習会」を2002年1月に開講しました。同講座では建築士を対象に歴史的建造物の修理技術や活用手法、歴史的文化遺産を生かしたまちづくり等に関する座学と実習を行い、全講義を受講した修了者を「ヘリテージマネージャー」として県教育委員会に登録する制度が発足しました。
 このヘリテージマネージャーを中心に、歴史的建造物を「まもり、そだて、つたえる」想いを同じくする有志達が集い、活動を始めたのが「阪神文化財建造物研究会(阪文建)」です。

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